

住宅の屋根にパネルを設置すれば、自動的に発電できる「太陽光発電」。作った電力は、どう使えば良いのでしょうか。ただ自宅の電気をまかなうだけでいい?それとも売るべき?
どちらが家計にとって本当におトクなのかを探ってみましょう。
太陽光発電の「固定価格買取り」って何のこと?

太陽光発電を利用して家庭で作る電気は、「固定価格買取り」という国の制度に沿って、電力会社に売ることができます。太陽光などの自然から生まれる「再生可能エネルギー」は環境に優しく、省エネ対策の一環としても理想的なことから、国民に利用を促すためにこのような制度が設けられました。
電気の買い取り価格は年度ごとに決められ、多少の変動はありますが、それでも平成28年度で1kWあたり33円〜。しかも10kW未満の売電契約は10年間固定とされ、その間は価格変動に振り回されることもなく、安定した収入源となります。
「10kW未満」というのは、いわゆる住宅用に設置される太陽光発電パネルで発電し、自宅で使用する電力の余剰分だけを売る際に適用される基準値です。10kWを超えると「産業用」としての適用に切り替えられ、多くの電力会社で売電の制限や中止の措置が取られつつありますが、住宅用は今後も通常通りの受付を継続する予定ですから、安定した収入が見込めるというわけです。
太陽光電気は、ただ使うより「売る」のがおトク?

日常で使う電気は電力会社と契約して購入しますが、平均的な額は1kWhあたり約25円。季節や使い方、契約プラン、家族の人数によっては月額が1万円を超えることも少なくありません。対して太陽光発電は、設置費用はかかりますが、自宅で使う電気の多くを自家発電でまかなうことが可能。太陽光で発電した分の電気料金はもちろん無料ですから、使用する全量を購入し続ける場合と比べると、月々の電気料金は格段に抑えられます。
では、発電した電気のどれくらいの量が売れるのでしょう?
設置しているパネルの発電量によって差はありますが、おおむね2割を自宅で使い、残り8割を売っている家庭が多いようです。購入する電気料金を上回る収入を毎月確実に得ることも不可能ではありませんから、初期投資分を早めに取り戻し、プラス収益を得たいなら、売電した方が家計にとっては圧倒的におトクと言えます。
今後、電力自由化が進めば価格競争が激しくなることが予想されますから、太陽光発電を導入するなら、買い取り単価が高い今が最適、という意見が多く見られます。
効率良く売電しておトク度をアップしたいなら、導入のタイミングを逃さないことも大切ですね。